東京シンフォニアはなぜユニークなのでしょうか? 第2回

何年も前のリハーサルのことです。聴きに来ていた友人が言いました。
「アンコールは何をやるの?」
私は尋ねました。「何がいいと思う?」

「タヒチ・トロットは?」

「いいアイデアだけど、タヒチ・トロットには、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、トロンボーン、チューバ、ハープ、打楽器が必要。なのに、このオーケストラには弦楽器19人しかいない … いや、弦楽器が19人いる!」

こうして、初の東京シンフォニア用の編曲を行うことになったのです。
様々な楽器の音色を弦楽器で表現し、19人の奏者が、1人で1パートを担当しました。

この時から、東京シンフォニアのスペシャルアレンジが始まりました。
幾重にも織り成されたサウンド、奏者から奏者への音のバトンタッチ。
演奏者は楽しんで弾き、そして、お客様も楽しんで聴いてくれます。

そこから東京シンフォニアの歴史は始まったのです。